「複利は人類最大の発明。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う」
相対性理論など多くの発明で有名な「アインシュタイン」博士が残した言葉です。
FXの成果にも「単利」と「複利」の考え方があります。
今回は実際のEAで「単利」と「複利」をバックテストしてみましたので、その結果を公開したいと思います。
「単利」とは
単利は投資資金の元本に対して利息が発生し利息を得るものです。
自動売買EAでは「単利運用」一般的です。
トレーダーは自身の資金に応じてパラメーターでエントリーするロット数を決定しています。
0.1ロットとか1ロットなどです。
この場合は、資金が増加しても減少しても一定ロット数でエントリーすることになります。
ということは、エントリーするロット数が一定ですので、利確と損切値が同じであれば、何回トレードしても利益、損失ともに一定額です。
あたり前ですね。
では、FXの自動売買において「複利」でエントリーしたらどうなるでしょうか。
自動売買EAでの「複利運用」とは
では自動売買EAを「複利運用」で考えてみます。
仮に初期投資額を100万円でスタートしたとします。
次に自動売買EAの複利RISK設定を2%とします。
このケースでは、自動売買EAが100万円の2%の20,000円でエントリー可能な最大ロット数を計算します。
上記の設定で自動売買EAをスタートさせます。さて3か月後、6か月後、1年後はどうなるか・・・。
カンの良い方は気づかれたと思います。
「複利運用」の場合は、たえずエントリーするロット数が変化することになりますね。
初回エントリーは
100万円の2%の20,000円でエントリーできる最大ロット数1.8ロットでエントリーしたとします。
(1.8ロットは取引ブローカーによって変化します)
初回エントリーが無事に勝ちました。
初回エントリーは勝ちでしたので、資金は110万円になりました。
では次に2回目のエントリーです。
初回エントリーは勝ちでしたので保有資金合計は110万円です。
2回目エントリーは
110万円の2%で20,400円でエントリーできるロット数でエントリーとなります。
初回エントリーはRISK20,000円の最大ロット数は1.8ロットでしたが
2回目エントリーはRISK20,400円の最大ロット数ですので2.0ロットに上昇します。
少し頭が混乱しますね。
わかりやすく表にしましたので、こちらをご覧ください。
わかりやすくするために条件は取引通貨はドル円、現在レートは100円とします。
ブローカーはXM、レバレッジは888倍です。XMの1ロットの単位は10万ロットとなります。
有効証拠金から最大ロット数の計算式はこちらになります。
最大ロット数は
有効証拠金 ÷ (1ロットの大きさ × 現在レート ÷ レバレッジ)となります。
こちらの計算式を元に資金ごとの最大ロット数はこのようになります。
投資残高とレバレッジの大きさによってエントリー可能最大数は変化します。
先ほど、ご説明したとおり投資合計残高が増えれば、連動して次のエントリーロット数も増えるわけです。
これがFX自動売買EAの「複利運用」の基本の考え方となります。
エントリーロット数で見ると「単利」は「固定ロット数」、「複利」は「変動ロット数」ということになります。
では実際のトレードにおいて「単利」と「複利」の損益推移がどうなるかを考察してみましょう。
トレード条件はこちらに定義します。
「単利」と「複利」でEAを稼働した場合、このような結果になります。
「単利」は永久的に固定ロット数でエントリーし、「複利」はエントリー回数の増加によってエントリーロット数も増加していきます。
こちらは20回トレードした場合の「単利」と「複利」の資産曲線です。
20回程度の少ないトレード回数ですか、20回を終えた時点では「単利運用EA」の資産は120万円、「複利運用EA」の資産は142万円で、その差は22万円となっています。
20回のトレードですから、スキャルEAの場合だと数日でこの差が発生することになります。
もう少し長い期間で比較してみました。こちらは300回トレードした場合の「単利」と「複利」の資産曲線です。
100回トレードで
「単利運用EA」の資産は200万円、「複利運用EA」の資産は580万円でその差は380万円。
200回トレードで
「単利運用EA」の資産は300万円、「複利運用EA」の資産は3,300万円でその差は3,000万円。
300回トレードで
「単利運用EA」の資産は400万円、「複利運用EA」の資産は1億9,600万円。
トレード回数が増えれば増えるほど、「単利運用EA」と「複利運用EA」の格差は拡大する一方です。
これが「アンシュタイン」が言った「複利は人類最大の発明」なのです。
「複利運用EA」がどれほどのインパクトがあるか、おわかりいただけましたでしょうか。
しかし、ここで疑問が生じると思います。
上記の表、資産曲線はトレードが勝ち続けた場合であり実際のトレードは勝ちと負けが混在するため、この資産曲線は机上論では?
という疑念があるかと思います。
たしかにこちらの資産曲線は負けを考慮していない勝ち続けた場合のものになります。
勝率が悪いEAや過剰なナンピンロット数のEAの場合は、このような右肩上がりのカーブを描く理想的なものにはならないです。
複利運用に適したEAとは
私なりの考えですが、下記のEAであれば複利運用をONにしたEAが爆発的な利益を積み上げると考えます。
それはズバリ「プロフィットファクターが高いEA」に集約されていると思います。
勝率が高い、ドローダウンが小さいなど細かな要素はありますが、それを集約すると
結局は「プロフィットファクターが高いEA」ということになります。
では実際のEAで検証してみたいと思います。
私のスタイルはブログで掲載させていただいている通り「損切り無しのEA」です。
「損切無しのEA」ですから、ドローダウンが小さくプロフィットファクターが高いということは勝ち続けて利益が出ているEAということになります。
こちらは私が作成したEAです。
EAのロジックについては別のブログ記事で紹介します。
こちらをご覧ください。
https://fxautotrading.jp/11017/
ナンピン有り、損切無しのよくあるEAです。スキャル的なEAですので、短期時間足でリミットは少額設定です。
こちらがバックテストの内容です。
それでは気になるEAバックテストの結果です。
リミット5pipsと10pipsの設定と複利設定なしと複利設定3種類でバックテストを行いました。
リミット5pips複利設定なしのEAの利益は1,664ドル、プロフィットファクターは5.17、最大ドローダウンは2.8%と
利益額は小さいですが、安定性は高い結果でした。
次に複利設定を0.3%に変更してみました。
利益は5,400ドル、プロフィットファクターは5.25、最大ドローダウンは8.2%の結果になりました。
複利設定なしと比較すると、利益額は約3倍、プロフィットファクターは上昇しています。
最大ドローダウンは2.8%から8.2%に悪化はしていますが、ロット数が増加するEAの特徴ですし、
最大ドローダウン8.2%は個人差はありますが許容の範囲ではないでしょうか。
次に複利設定0.5%、1.0%もバックテストを行いました。
利益は飛躍的に増加していることがわかります。複利設定1.0%においては利益31,816ドルと複利設定なしの約19倍と
驚異的な伸びとなりました。プロフィットファクターもアップしていることから複利設定はOKのEAと言えると思います。
また、リミット10pipsのEAにおいても、複利設定ありのEAが圧倒的に稼げている事がわかると思います。
こちらはリミット5pipsの資産曲線です
複利設定1.0%のEAがトレード回数と比例して資産額も急速に増加しています。
こちらはリミット10pipsの資産曲線です
こちらも複利設定1.0%のEAがトレード回数と比例して資産額も急速に増加しています。
アンシュタインが言った「複利は人類最大の発明。知っている人は複利で稼ぎ、知らない人は利息を払う」はまさに、この事なのでしょう。
バックテストの結果です
複利設定EAの破壊力はいかかでしたか。
EAですので、最初にパラメーターで複利設定を行えば、24時間365日ほったらかしも可能です。
EA稼働後に複利の値も変更は自由にできます。
また複利運用は「ちょっと怖い」という場合はパラメーターで複利設定OFFも選択可能ですので、アレンジは自由に設定できます。
最後ですが、
決して「複利設定」を推奨してるわけではありません。
複利設定に適していないEAで複利運用を行うと最悪、口座破綻の可能性も十分あります。
複利設定に適しているEAで稼働することが、なによりも重要となります。
「複利無しのEA」でバックテストの結果、利益は少額であっても良いです。
重要なポイントは「プロフィットファクター」の値です。
検証回数は多くはありませが、「プロフィットファクターが3.0以上のEA」であれば「複利運用」に適しているのではないかと思います。
このあたりは今後のブログで実際にEAバックテストを行い公開して行きたいと思います。
あと現在までに私からEAを購入いただいた方には、ご購入いたたいたEAに無償で複利設定をお付けします。
勝手ながら、こちらから個別にご連絡はいたしませんのでご希望の方はメールにてご連絡ください。
ご不明点、ご質問などございましたらお気軽にどうぞ